Zoom クライアントのエンタープライズ向け自動更新ポリシー
Zoom のエンタープライズ向け自動更新ポリシーにより、システム管理者は自社のポリシーと優先事項に従い、常に最新の状態で管理の行き届いたデスクトップ クライアント環境を維持できます。 これらのポリシーにより、管理者はデスクトップ クライアントの自動更新の挙動と UI を細かく管理できるため、多様なユーザー グループのニーズを満たすことができるように、グループ単位で体験を調整できます。
これらのポリシーは、MSI、GPO、および PLIST 環境、または Zoom デバイス管理ツール(ZDM)を使用して管理できます。
自動更新ポリシーを使用するための前提条件
*注: ポリシーの中にはバージョン 5.10.3 から使用できるものもありますが、それ以外のポリシーは 5.10.3 以降のバージョンで追加されたため、Zoom では最新バージョンのご使用をお勧めします。
以前のポリシー
EnableSilentAutoUpdate または AlwaysCheckLatestVersion の各オプションはサポートされなくなりました。
以下の自動更新ポリシーは現段階では引き続き使用できますが、段階的に使用できなくなり、今後はサポート対象外になります。
- ZoomAutoUpdate*
- SetUpdatingChannel
以下の AU2 ポリシーのいずれかを使用する場合は、これらの以前のポリシーは AU2 ポリシーセットの内容に置き換わります。
*注: MSI 展開では AU2 ポリシーが設定されておらず、古い ZoomAutoUpdate がデフォルトで無効になっているため、MSI 展開ではデフォルトで自動更新機能が無効になっています。 これらの自動更新を有効にするには、ZoomAutoUpdate=1 を設定するか、以下のリストにある AU2 ポリシーのいずれかを明示的に有効にします。
自動更新ポリシー
ポリシー | 説明 | 設定 | 値の種類とデフォルト |
---|
AU2_EnableAutoUpdate |
クライアントを通じた自動更新を有効にします。 このポリシーを無効にすると、以下の AU2 ポリシーも無効になります。
- AU2_SetUpdateChannel
- AU2_LimitManualUpdateVersion
- AU2_DeploySpecificVersion
- AU2_SetUpdateSchedule
- AU2_InstallAtIdleTime
- AU2_SafeUpgradePeriod
|
|
ブール型、有効
|
AU2_SetUpdateChannel | デスクトップ クライアントに適用される更新の頻度を設定します。
- 低速(0): 更新数が少なく安定性が高いオプション
- 高速(1): 最新の機能と更新を提供するオプション
|
| ブール型、0(低速) |
AU2_UpdateChannelCandidates | その他の更新チャネル オプションを定義します。 フォーマットは <channel ID>:<channel name> となり、複数のチャネルはセミコロンで区切ります。 例: 0:Slow;1:Fast;3:カスタム チャネル
カスタム チャネルはウェブポータルで作成し、カスタム チャネルが認識される前にユーザーを認証する必要があります。そうしない場合、低速のチャネルがデフォルトで使用されます。 ポリシー文字列に含まれていなくても、デフォルトの低速 / 高速トラックは常時利用可能です。 |
| 文字列、<空> |
AU2_EnableShowZoomUpdates
|
クライアント設定にある [一般] タブの [Zoom の更新] セクションを表示します。 AutoUpdate と SetUpdateChannel が必要かどうかに応じて、ユーザーはこの設定のみを表示できます。
|
|
ブール型、有効
|
AU2_LimitManualUpdateVersion |
ユーザーは手動でデスクトップ クライアントの更新をチェックできます。インストールしたバージョンが、更新チャネル(低速、高速、カスタム)で指定したバージョンより前の場合、利用可能な最新バージョンではなく、そちらの指定バージョンにアップデートされます。
このポリシーは AU2_EnableAutoUpdate に依存し、AU2_EnableManualUpdate ポリシーが有効になります。 いずれかが無効の場合、ポリシーは失敗します。
|
|
無効、ブール型
|
AU2_EnableUpdateAvailableBanner
|
更新が利用可能になると、クライアントの [ホーム] タブに [更新可能!] バナーが表示されます。
|
|
ブール型、有効
|
AU2_EnablePromptUpdateForAU2
|
更新が利用可能になると、ユーザーがミーティングまたはウェビナーから退出するときに更新するよう促します。
|
|
ブール型、無効
|
AU2_EnableUpdateSuccessNotification
|
更新が正常にインストールされたことを知らせる通知を表示します。
|
|
ブール型、有効
|
AU2_EnableManualUpdate
|
クライアントの [更新をチェック] オプションの可視性を制御します。
|
|
ブール型、有効
|
AU2_DeploySpecificVersion
|
現在インストールされているバージョンが指定されたバージョンより下位バージョンの場合、その指定されたバージョンをダウンロードおよびインストールします。
スペースや括弧のない公式のバージョン形式でなければなりません(例: 5.10.4(5035)は 5.10.4.5035 になります)。
|
|
文字列、(空)
|
AU2_SetUpdateSchedule
|
利用可能な更新バージョンをダウンロードするよう設定します。 プロンプトによって、またはアイドル時間や指定された安全なアップグレード期間中に、ユーザーによって更新が開始されます。
値は HHMM-HHMM の形式です。たとえば 1:00 から 2:30 の場合のコードは、 0100-0230 になります。 翌日にまたがる時間枠もサポートされています。たとえば、 1800-0400 は 18:00 から翌日の 4:00 を意味します。
|
|
文字列、(空)
|
AU2_InstallAtIdleTime
|
デバイスがアイドル状態のときに、利用可能な更新を自動でインストールします。
アイドル状態のデバイスは、以下である必要があります。
- 現在ミーティング中、通話中、またはコンタクト センターとのやり取り中でないこと
- 30 分以内に予定されているミーティングがないこと
- 画面がロックされている、またはスクリーン セーバーがアクティブになっていること
|
|
ブール型、無効
|
AU2_SafeUpgradePeriod |
指定された時間枠で更新をインストールするよう設定します。 このポリシーを使用するには AU2_InstallAtIdleTime が有効になっている必要があります。
値は HHMM-HHMM の形式です。たとえば 1:00 から 2:30 の場合のコードは、 0100-0230 になります。 翌日にまたがる時間枠もサポートされています。たとえば、 1800-0400 は 18:00 から翌日の 4:00 を意味します。
MSI の例: msiexec /i ZoomInstallerFull.msi ZConfig="AU2_EnableAutoUpdate=true;AU2_InstallAtIdleTime=true; AU2_SafeUpgradePeriod=0000-1200"
|
|
文字列、0000-0400(午前 0 時~ 午前 4 時)
|
注: MSI で展開する場合、すべての AU2 ポリシーは zConfig パラメータ内にある必要があります。 例:
msiexec /i ZoomInstallerFull.msi zConfig="AU2_EnableAutoUpdate=1"
設定例
以下に、さまざまなバージョン コントロール レベルとエンドユーザーの可視性に基づいた設定例をいくつか提示します。
ロックダウン - ユーザーの可視性なし、コントロールなし
この例では、システム管理者がユーザー体験をすべて制御したいと考えています。システム管理者はユーザーからの質問やユーザーの興味を最小限に抑えるため、すべての通知と設定 UI を非表示にしています。
設定:
- AU2_EnableAutoUpdate - オン、必須
- AU2_SetUpdateChannel: 低速(0)、必須
- AU2_EnableShowZoomUpdates - オフ
- AU2_EnableUpdateAvailableBanner - オフ
- AU2_EnableManualUpdate - オフ
エンドユーザー体験:
ユーザーには低速チャネルにいることが表示されませんが、低速チャネルに昇格した最新バージョンに随時更新されます。 ユーザーにはその他の利用可能な更新へと促すメッセージは表示されず、手動で最新バージョンに更新することはできません。
多少のコントロール - 通知、IT に特化した更新、チャネル設定
このシナリオでは、システム管理者は、生産性の高い社内業務のために Zoom を必要としている技術的に習熟したマネージャー グループに、Zoom デスクトップ クライアントを提供しています。 このグループにはいくらかの自律性が与えられるため、新しいツールやサービスが利用可能になったときにそれらを活用できる柔軟性が生まれます。一方、クライアントに常に最新のセキュリティ パッチを適用することを要求するセキュリティ ポリシーを強制的に適用します。
設定:
- AU2_EnableAutoUpdate - オン、必須
- AU2_SetUpdateChannel: 低速(0)、必須
- AU2_EnableShowZoomUpdates - オフ
- AU2_EnableUpdateAvailableBanner - オン
- AU2_EnableManualUpdate - オン
エンドユーザー体験:
ユーザーには低速チャネルにいることが表示されませんが、低速チャネルに昇格した最新バージョンに随時更新されます。 手動で更新すれば、高速チャネルからの最新バージョンも利用可能です。
完全な可視性、フル コントロール
このシナリオでは、ソフトウェアの大企業の内部 IT テストチームが、利用可能になった更新プラグラムをできる限り迅速に受け取るよう設定したいと考えています。 このチームにはクライアントがインストールされた専用のテスト施設があり、重要なユースケースに対して自動化された一連の手動テストを実行しています。 施設のコンピュータが自動更新を受け取るように設定すれば、Zoom が新しいバージョンを構築したかを追跡する必要がなくなるため、テスト エンジニアの業務は容易になります。 何らかの変更によりテストが失敗した場合、システムからのリアルタイム通知が表示されます。 エンジニアは、テストニーズによって、自動更新やリリース チャネルを必要に応じて自由に設定(または無効に)したいと考えています。
設定:
- AU2_EnableAutoUpdate - デフォルトでオン
- AU2_SetUpdateChannel - デフォルトで低速(0)
- AU2_EnableShowZoomUpdates - オン
- AU2_EnableUpdateAvailableBanner - オン
- AU2_EnableManualUpdate - オン
エンドユーザー体験:
ユーザーは低速チャネルを使用していることが確認でき、低速チャネルに昇格した最新バージョンにときおり更新されますが、頻度を高速チャネルに変更したり利用可能な最新バージョンに手動で更新したりできます。