Zoom に、Zoom Meetings Hybrid(ZMH)というハイブリッド ミーティング ソリューションが登場しました。ZMH を使用すると、お客様は Zoom ミーティング コンポーネントをネットワーク(ファイアウォールの奥)に展開し、すべてまたは大半のミーティング メディアをオンプレミスで維持することができます。 これにより、内部ユーザーはローカル ハイブリッド サーバーに接続できるようになり、外部ユーザーであっても大半のシナリオで Zoom クラウド経由で参加できるようになります。 また ZMH はメディアにエッジ機能を提供することで、ユーザーのネットワーク セキュリティも強化します。
複数の内部ユーザーがミーティング参加者として参加する一般的なミーティングでは、Zoom クラウドへのリンクが 1 つあれば、ミーティングのセッションに対応できます。 結果としてこれは、大規模ミーティングを実施するお客様にとって、インターネット帯域幅要件の緩和につながります。 外部参加者を含む通話では、外部参加者は Zoom がホスティングする環境を通じて参加します。またマルチメディア ルーティングの場合は、Zoom のクラウドがホスティングする環境と内部サーバーの間で双方向の UDP 接続が確立されます。
この記事では、次の項目について説明します。
コンポーネント | ロール |
優先 MMR |
ミーティングで最初に使用される MMR です。最初のミーティング参加者の接続により定義されます。 |
副 MMR |
ミーティングで使用されるその他の MMR です。 これらの MMR は優先 MMR に接続します。 |
ハイブリッド VM |
ハイブリッド サービスを実現するため、お客様のネットワーク内またはデータセンター内に設けられるバーチャル マシンです。 デフォルトでは、1 つのハイブリッド VM に 2 つの ZC プロキシと 2 つのハイブリッド MMR が組み込まれます。 |
ハイブリッド ZC |
ハイブリッド ゾーン コントローラが Zoom クラウドに展開されており、ハイブリッド MMR を管理します。 ZC プロキシを介してクライアントの ping 要求に応答し、使用するべきハイブリッド MMR を返します。 |
ZCP |
ゾーン コントローラ プロキシは、Zoom クラウドで稼働するハイブリッド ZC に送信する ping 要求を処理します。 |
HMMR |
ハイブリッド VM の一部として展開されたハイブリッド MMR を指します。 |
Zoom クライアント |
Zoom デスクトップ、モバイル、ウェブ クライアントを指します。 |
CMR エージェント |
このエージェントは、ミーティングに接続し、ミーティングのクラウド レコーディングが開始されていた場合はミーティングをレコーディングします。 |
SFU |
通常のハイブリッド ミーティングでメディア ルーティングを提供する選択的転送ユニット(SFU)を指します。 |
iMMR |
内部ミーティングのメディア ルーティングを提供する内部 MMR を指します。 |
ZMH は内部 MMR(iMMR)モード、選択的転送ユニットモードという 2 種類の機能モードを備えた新型 MMR をベースにしています。 iMMR はメディアが常にオンプレミスの内部ハイブリッド ミーティングに使用します。SFU は、クラウド MMR が最優先で使用されるときに、通常のハイブリッド ミーティングでミーティング参加時に使用されます。ミーティングで使用する SFU が 1 つしかない場合のみ、メディアがオンプレミスになります。 SFU モードはメディアデータのみを処理し、ミーティング中はクラウド MMR のコントロール下にあります。
[通常モード] では Zoom Meetings Hybrid(ZMH)がオンプレミス ユーザーのミーティング用メディアをローカルで処理し、外部参加者が Zoom クラウド経由でミーティングに参加できるように許可します。 このモードでは ZMH がホワイトボード、ライブストリーミング、文字起こしと翻訳、レコーディングなど、クラウドによるサービスの利用も許可します。
通常のハイブリッド ミーティングでは、ZMH が選択的転送ユニット(SFU)機能を活用し、内部出席者に対してはローカルでメディアをリレーし、オーバーフローと外部参加者についてはクラウドにカスケードできるようにします。 ZMH SFU は、通常のハイブリッド ミーティング中にミーティングのメディアを再配分できますが、クライアントからクラウドへの信号接続は処理しません。 Zoom Meetings Hybrid 専用ハードウェアに接続しているユーザーは、クラウド レコーディングの開始や参加者リストの更新といったミーティング中のデータと操作においては、今後もミーティングのクラウド サーバーとの間に帯域幅負担の少ない信号接続を確立します。
内部モードでは ZMH を使用することにより、ミーティング コネクタ(MC)ソリューションと同様に、ミーティングのメディアと信号処理を全面的にローカライズできます。 一方このモードは、アクセスできるクラウド サービスが増え、管理者と特権を付与されたミーティング ホストが有効にすることができる点で MC とは異なります。 このモードでは、ZMH がクラウドへのメディアのカスケードを許可せず、すべてのメディアと信号処理を一貫してオンプレミスで処理します。 なお MZH は内部ハイブリッド ミーティングを有効にするため、内部マルチメディア ルーティング(iMMR)という機能を使用します。