Zoomは、IP範囲に応じてオーディオやビデオの帯域幅量を制限するオプションを提供しています。この機能はネットワーク設定に詳しい管理者向けに提供されており、ポリシーは、特定の場所で制限が加わることが分かっているローカルネットワーク向けに作成されています。
この機能を使用する前に、Zoomテクニカルサポートにご相談いただくことを強くお勧めいたします。帯域幅を制限するべき状況は、ごく限られています。Zoomアプリケーションは、必要に応じて帯域幅を測定し、割り当てるように設計されています。ほとんどの展開や状況において、Zoomは追加のポリシーなしで、利用可能な帯域幅の変更や制限に適応できます。利用可能な帯域幅を計算できれば、Zoomはいつでも最高のユーザー体験を提供できます。帯域幅を制限するポリシーを導入する際は、帯域幅の減少が品質に及ぼす影響を把握しておく必要があります。
帯域幅制限ポリシーは、必須情報とオプション情報の両方を使用して定義します。各ポリシーのフィールドの概要は次のとおりです。
これは、作成する制限ポリシーを識別するための必須項目です。名前の入力にルールはありませんが、場所やネットワークIDを、ポリシーを作成するIP範囲と関連付けることができるような名前を推奨します。
これは、作成したポリシーについてさらなる詳細情報を提供できる、オプション項目です。説明を提供すると、設定内容を確認する人がポリシーの情報を明確に把握できるため、推奨される手順です。
時間の経過とともにポリシーが増える場合、きちんと説明を追加しておくと、後でポリシーを見直すときや、管理者のロールを担った人が以前の設定を理解する必要がある場合に便利です。
注: 作成するIP範囲は、IPv4形式にする必要があります。
これは帯域制限の適用方法を決定する主要な情報で、必須項目です。この項目は、範囲またはサブネットマスクの両方をサポートしています。ポリシーを設定する前に、IPv4範囲を設定するためのネットワーク用語について十分に理解しておくことを推奨します。
Zoomアプリケーションからミーティングにオーディオやビデオを送信する際に割り当て可能な、最大帯域幅を設定するための必須項目です。
この値は、プレゼンテーションの共有や、参加者からのオーディオやビデオの共有に割り当て可能な帯域幅も制限しますので、ご注意ください。低い値に設定すると、他の参加者が受信する品質に影響が出ます。利用可能な帯域幅を大幅に低減すると、特にビデオの画質が制限されます。帯域幅が制限されたミーティングでは、他の参加者が受信するビデオの解像度が低くなることがよくあります。最小値にすると、参加者がスピーカーモードに切り替えて全画面表示にしたときに、解像度の低下が特に顕著になる可能性があります。
この項目はオプションで、ネットワーク帯域幅が著しく制限されている場合にのみ設定する必要があります。ユーザーはさまざまな視聴オプションを選択できます。レイアウトが異なると、コンテンツと一緒に受信する参加者のオーディオ / ビデオストリームの数によっては、異なる帯域幅の割り当てが必要になることがあります。ポリシーで値を制限して受信帯域幅を制限することで、ネットワーク上に複数のユーザーがいて容量が問題となる場合に、制限に対応できます。
しかし、この制限は最大容量への対応に役立つ一方で、帯域幅に余裕がある場合でもユーザー1人に対する品質を制限することになります。導入においてはほとんどの場合、ソフトウェアクライアントのネゴシエーション能力とネットワーク帯域幅の状況変化への適応能力があれば、ポリシーで帯域幅を常時完全に制限するよりも、その変化に適切に対応することができます。ダウンストリームポリシーを使用してオーディオ / ビデオやコンテンツを制限する場合は、事前にZoomまでご相談ください。
この項目は、[ネットワーク帯域幅を制限する] 設定オプションの拡張機能として、2022年に追加されたオプション項目です。この項目が追加されたことで、管理者は帯域幅制限のポリシーを整理しやすくなりました。
ポリシーが多数あると、ある特定のポリシーを探したり、ある場所を一連のポリシーがサポートする目的を理解しにくいことがあります。分類は、関連するポリシーをグループ化してまとめる方法を管理者に提供します。分類とサブ分類の両方を作成できるため、1つの場所に対して複数のポリシーを作成し、ラベルを使用してそれらを整理できます。
これは、管理者がIPアドレスの範囲を制限できるようにする、オプション項目です。同じ目的を達成するためには、ポリシーを2つ作成するよりも除外範囲を使用する方が効率的です。
ビデオの送受信を完全に無効にするために使用できるチェックボックスは、[ビデオを送信しない] と [ビデオを受信しない] の2つです。こうしたオプションを使用すると、ミーティング参加者に必要な帯域幅が大幅に低減されますが、同時にユーザー体験も大きく制限されます。このようなオプションは、容量が制限され、他に方法がないネットワークにのみ使用してください。
帯域幅制限ポリシーは、[制限を追加] ダイアログボックスで個別に作成する以外に、[インポート] ボタンを使用して複数のポリシーを含むファイルを選択し、一括してインポートすることも可能です。インポートオプションには、値をカンマ区切りで正しい順序に並べたファイル(.csv)が必要です。
フォーマット要件に関する詳細は、インポートダイアログボックスにあります。[インポート] ダイアログボックスには、サンプルファイルをダウンロードできるリンクもあります。また、[追加] ダイアログボックスでポリシーを作成し、[すべてエクスポート] オプションを使用してCSVファイルを取得することも可能です。いずれの方法も、スプレッドシートを使用してIP範囲とポリシーを定義するにあたって有用なリファレンスになります。
CSVファイルを使用してポリシーをインポートする場合、ファイルの各行はチェックされ、形式と入力要件が検証されます。エラーが検出されると、インポート操作は停止します。修正が必要な行はどれなのか管理者が難なく把握できるように、エラーを含むファイルをダウンロードするというオプションがあります。エラーをすべて修正すると、インポート操作の続行が許可され、CSVファイルの内容がデータベースに追加されます。
[インポート] オプションは、既存のルールの中にインポートしたルールと一致するIP範囲があると、既存のルールを置き換えます。重複するIP範囲を定義するルールは、インポートされません。
作成された既存のポリシーは、[すべてエクスポート] オプションを使用すると、カンマ区切りの値のファイル(.csv)としてエクスポートできます。CSVファイルは、スプレッドシートにインポートして参照したり変更したりできます。
スプレッドシートに加えた変更は、[インポート] オプションを使用してウェブポリシーに再びインポートできます。