固定電話のプロビジョンテンプレートの設定
プロビジョンテンプレートを使用すると、Zoom Phone管理者は、アカウント全体、複数のサイト、固定電話のグループ、または固定電話1台に適用できるカスタム設定を持つテンプレートを作成することで、固定電話の設定をカスタマイズできます。プロビジョンテンプレートは、簡単に変更、再割り当て、および削除できます。プロビジョンテンプレートの設定は、キーと値のペアを使用して指定できます。
重要:
- プロビジョンテンプレートを使用する前に、このガイドを熟読してください。
 - 本記事は、プロビジョンテンプレートのパラメータに精通している管理者向けの内容です。管理者は、プロビジョンテンプレートの作成と割り当ての結果について、全責任を負うものとします。
 - プロビジョンテンプレートのパラメータは、固定電話のメーカー(PolyまたはYealink等)によって決定されます。Zoomは、プロビジョンテンプレートのパラメータへのサポートを提供しません。
 - AudioCodes MPシリーズATAは増分プロビジョニングをサポートしています。これは、Zoomウェブポータルから再同期してもデバイスのローカルパラメータはクリアされず、進行中の通話が影響を受けないことを意味します。また、増分プロビジョニングのサポートにより、再同期でローカルパラメータがクリアされないので、カスタムプロビジョンテンプレートをバインドしてローカルパラメータを指定する必要がなくなります。
制限: デバイスを初めてプロビジョニングする場合、デフォルト値以外のローカルパラメータはクリアされます。そのため、ユーザーは最初のプロビジョニングが成功した後、デバイスに必要なローカルパラメータを設定する必要があります。それ以降の再同期では、デバイスのローカルパラメータはクリアされません。 
固定電話のプロビジョンテンプレートを設定するための要件
プロビジョンテンプレートの制限
固定電話のプロビジョンテンプレートを設定する際には、以下の制限があります。
- 各プロビジョンテンプレートは、102,400文字以内で入力できます。テンプレート名は一意である必要があります。
 - プロビジョンテンプレートは、固定電話にのみ適用されます。販売終了モデルはサポートされていません。
 - 各メーカーは異なるパラメータをサポートしているため、各テンプレートはメーカー1社にのみ適用できます。メーカーのサポートサイトにアクセスし、各メーカーでサポートされているパラメータに従ってテンプレートを編集してください。
 - サポートされているコーデックの優先順位の変更、またはサポートされていないコーデックの追加は推奨されません。コーデックを変更すると、オーディオ品質の問題が発生する可能性があります。
 - 最良の結果を得るために、固定電話がサポートされており、推奨のファームウェアが実行されていることを確認してください。プロビジョンテンプレートを作成する前に、サポートされている固定電話の機能を参照してください。
 - SIP登録関連のパラメータは制限されています。管理者がSIP登録関連のパラメータの変更または上書きを試行すると、プロビジョンテンプレートを保存できなくなります。
 - [プロビジョンテンプレート] セクションでは、キーと値のペアのみがサポートされます。SIP関連のパラメータ以外のZoomには、フィールドに追加される内容に制限やコントロールはありません。アカウントオーナーと管理者は、プロビジョンテンプレートの作成と割り当ての結果について、全責任を負うものとします。
 - プロビジョンテンプレートは、プロビジョニングを完了するか、電話機を再同期するときに割り当てられた電話機に適用されます。
 - 次のパラメータは予約済みであり、変更はできません。
 
account.[1-9]
CONFIG_FILES
dm.enable
feature.obitalk.enabled
msg.mwi
obitalk.accountCode
reg.[1-9]
security/ca_certificate
sec.TLS.customCaCert
sip.* (except sip.ld)
static.auto_provision.server.url
static.trusted_certificates.url
system/type
voice_mail.number
voip/line/[1-9]
voip/signalling/sip
プロビジョンテンプレートを作成する方法
- アカウント設定を編集する特権を持つ管理者として、Zoomウェブポータルにサインインします。
 - ナビゲーションパネルで、[電話システム管理]、[会社情報] の順にクリックします。
 - [アカウント設定] をクリックします。
 - [固定電話] セクションで、[プロビジョンテンプレート] の [管理] をクリックします。
 - [追加] をクリックします。
 - 次の項目を入力します。
- 名前: テンプレートを識別するディスプレイ名を入力します。各テンプレートはメーカー1社にのみ適用できるため、メーカーの名前を入力します。
 - 説明(オプション): テンプレートが識別しやすいように、説明を入力します。
 - テンプレート: メーカーがサポートする1組のキー値を入力します。詳細については、パラメータの例とサポートされているパラメータを参照してください。
 
 
サポートされているパラメータ
すべてのパラメータの詳細な仕様については、固定電話のメーカーのサポートサイトを参照してください。
プロビジョンテンプレートを使用して設定可能な、頻繁に要求される機能を次に示します。
パラメータの形式例
これらの形式指定規則に、指定どおり正確に従ってください。各固定電話のメーカーは、キーと値のペアに対して異なる形式を有します。
これらの例は、NTPサーバーを定義するために必要な形式を示すものです。
AudioCodes
- NTPサーバーのキー名: system/ntp/primary_server_address
 
system/ntp/primary_server_address=ntp_server_addr
system/ntp/secondary_server_address=ntp_server_addr2
Avaya
Avayaプロビジョンテンプレートの例:
SET SNTPSRVR 192.168.0.5
SET FORCE_WEB_ADMIN_PASSWORD HelloWorld!01
SET ADMIN_PASSWORD ComPlexPSWD12?!
Cisco
- NTPサーバーのキー名: Primary_NTP_Server
 
<!-- Primary NTP Server -->
<Primary_NTP_Server ua="rw">192.168.1.11</Primary_NTP_Server>
<!-- Secondary NTP Server -->
<Secondary_NTP_Server ua="rw">192.168.1.22</Secondary_NTP_Server> 
Grandstream
GRPシリーズプロビジョンテンプレートの例:
<!-- # NTP Server -->
<item name="dateTime.ntp.server.1">your_ntp_server_address</item>
<!-- # Secondary NTP Server -->
<!-- # String -->
<item name="dateTime.ntp.server.2">your_ntp_server_address</item> 
ATA HT8xxシリーズの例:
ATA HT8xxシリーズの場合、設定についてはP値形式のみがサポートされているため、プロビジョンテンプレートはP値である必要があります。ATA HT80xxおよびHT81xxシリーズの特定のパラメータについては、Grandstream設定テンプレートを参照してください。
<!-- Codec settings: 0 - PCMU, 8 - PCMA, 4 - G.723, 18 - G.729, 2 - G.726-32, 97 - iLBC, 123 - OPUS, 9 - G722 -->
<P57>123</P57>
<P58>9</P58>
<P59>8</P59>
<P60>8</P60>
<P61>8</P61>
<P62>8</P62>
<P46>8</P46>
<P98>8</P98> 
<!-- # NTP Server address-->
<P30>your_ntp_server_address</P30> 
Mitel
CP電話
<Action>WriteItems</Action>
<ItemList>
<!-- Primary NTP server -->
<Item name="sntp-addr">time.google.com</Item>
<!-- Backup NTP server -->
<Item name="sntp-addr-backup">time.apple.com</Item>
</ItemList>
6900電話
# Primary NTP server
time server1: time.apple.com
# Backup NTP server
time server2: time.google.com
Poly
device.sntp.serverName=“ntp_server_addr” 
Yealink
local_time.ntp_server1=ntp_server_addr
local_time.ntp_server2=ntp_server_addr2
プロビジョニングされた固定電話にプロビジョンテンプレートを割り当てる方法
- アカウント設定を編集する特権を持つ管理者として、Zoomウェブポータルにサインインします。
 - ナビゲーションメニューで、[電話システム管理]、[電話とデバイス] の順にクリックします。
 - テンプレートを割り当てる固定電話を探します。
 - 右の列にある省略記号アイコン 
 をクリックし、[プロビジョンテンプレートをバインド] をクリックします。
注: 各固定電話に割り当てることができるプロビジョンテンプレートは1つだけです。すでにテンプレートが割り当てられている場合は、[プロビジョンテンプレートのバインド解除] をクリックして、固定電話からテンプレートを削除するか、割り当て済みのプロビジョンテンプレートを変更できます。 - [ターゲットテンプレート] ドロップダウンメニューで、割り当てるテンプレートを選択し、[バインド] をクリックします。
 - プロビジョンテンプレートの割り当てを完了するには、固定電話を再同期します。
 
サイト内の複数の固定電話またはすべての固定電話にプロビジョンテンプレートを割り当てる方法
- アカウント設定を編集する特権を持つ管理者として、Zoomウェブポータルにサインインします。
 - ナビゲーションメニューで、[電話システム管理]、[電話とデバイス] の順にクリックします。
 - 画面右上の [サイト] ドロップダウンメニューで、関連付けられた固定電話を表示するサイトを選択します。
 - ヘッダー行の最初の列にあるチェックボックスをクリックして、リストされているすべての固定電話を選択します。
 - [プロビジョンテンプレート] ドロップダウンメニューで、[バインド] をクリックします。
 - [ターゲットテンプレート] ドロップダウンメニューで、割り当てるテンプレートを選択し、[バインド] をクリックします。
 - 固定電話を再同期して、プロビジョンテンプレートの割り当てを完了します。
 
プロビジョンテンプレートを一括で割り当てる方法
Zoom Phoneユーザーのインポート / 更新時、または未割り当てのデバイスのインポート時に、プロビジョンテンプレートを一括して割り当てることができます。この場合、CSVファイルでプロビジョンテンプレート名を指定する必要があります。
プロビジョニング中にプロビジョンテンプレートを割り当てる方法
- 固定電話を追加するための手順に従います。
注: プロビジョンテンプレート対応の固定電話を指定したことを確認してください。非対応の固定電話の場合は、プロビジョンテンプレートを選択できません。 - [プロビジョンテンプレート(オプション)] ドロップダウンメニューで、割り当てるテンプレートを選択し、[保存] をクリックします。
テンプレートは、プロビジョニングプロセス中に固定電話に適用されます。 
割り当てられたプロビジョンテンプレートを変更または削除する方法
すでにプロビジョンテンプレートが固定電話に割り当てられている場合は、次の手順に従って、別のテンプレートを割り当てるか、現在のテンプレートを削除します。
- アカウント設定を編集する特権を持つ管理者として、Zoomウェブポータルにサインインします。
 - ナビゲーションメニューで、[電話システム管理]、[電話とデバイス] の順にクリックします。
 - 変更する固定電話名をクリックします。
 - [プロビジョンテンプレート] の横にある以下のオプションのいずれかをクリックします。
- 編集: 別のテンプレートを電話機に割り当てます。[ターゲットテンプレート] ドロップダウンメニューで、プロビジョンテンプレートを選択し、[バインド] をクリックします。
 - バインド解除: テンプレートを電話機から削除します。テンプレートは引き続き割り当てることが可能です。
 
 - 固定電話を再同期して、変更内容を適用します。固定電話が数回再起動します。