Zoom Phoneローカルサバイバビリティサービスの設定
Zoom Node PhoneサーバーとZPLSサービスモジュールをデプロイした後は、フェイルオーバーの際に使用できるようサービス開始前に設定を行う必要があります。
Zoom Phoneローカルサバイバビリティを設定するための要件
- ビジネス、教育機関、またはエンタープライズ向けアカウント
- Zoom Nodeサブスクリプション
- Zoom Phoneサブスクリプション
- アカウントオーナーまたは管理者特権
- デプロイ済みのZoom Phoneローカルサバイバビリティサービスモジュール
- 複数のサイトがZoom Phoneで有効になっている
Zoom Phoneローカルサバイバビリティを設定する方法
ローカルサバイバビリティサーバーをサイトに割り当てる
- アカウント設定を編集する特権を持つ管理者として、Zoomウェブポータルにサインインします。
- ナビゲーションメニューで、[電話システム管理]、[会社情報] の順にクリックします。
- [アカウント設定] をクリックします。
- [Zoom Node] で、[ローカルサバイバビリティ] を見つけます。
- [管理] をクリックします。
- [割り当て先] をクリックします。
- サーバーを割り当てるサイトを選択します。
- [保存] をクリックします。
Zoom Phoneローカルサバイバビリティを有効にする
Zoom Phoneローカルサバイバビリティモジュールはアカウントレベルで有効にできるほか、グループレベルやユーザーレベルでも有効にすることができます。また、この設定はサイトの [ポリシー] タブからも有効にできます。
セッションボーダーコントローラ(SBC)を設定する方法
SBCとZPLSモジュールの間にSIPトランクを確立する必要があります。TLS接続をZPLSモジュールおよびZoomクラウドの両方に対して確立するために、SBCにはDigiCertのルート証明書および中間証明書をインストールする必要があります。
管理ポータル内でSBCを追加しても、ZPLSモジュールとSBCの間にSIPトランクが直接作成されるわけではありません。SBCを、サバイバビリティルートグループに関連付け、次に適切なサイト / アカウントに関連付ける必要があります。こうすることで初めて、ZPLSモジュールは、外部コールルーティングに使用されるSBCのIPアドレスの詳細情報を認識します。
SBCをローカルサバイバビリティサービスモジュールと連携する
- ナビゲーションメニューで、[電話システム管理]、[会社情報] の順にクリックします。
- [アカウント設定] をクリックします。
- [ルーティング] で、[セッションボーダーコントローラ] を見つけます。
- [管理] をクリックします。
- [追加] をクリックします。
- SBCのディスプレイ名とパブリックIPアドレスを入力します。
注: SBCのIPアドレスは、ローカルサバイバビリティサービスモジュールからポート5061を介して到達可能である必要があります。1対1のNATを使用する場合、アドレスは固定である必要があります。 - 通常の状態でBYOC番号が正しくルーティングされるようにするため、[Bring Your Own PBX - Premises] を有効にします。
- [OPTIONS Pingステータス] を有効にします。管理者はSBCとZPLSモジュール、およびZoomクラウド間のSIPトランク接続を確認できるようになります。
- [稼働中] を有効にします。
- ZPLSモジュールのローカルサバイバビリティ接続用のIPアドレスには、ローカルサバイバビリティモジュールからこのセッションボーダーコントローラ(SBC)へのトラフィックをルーティングするために指定されたIPアドレスを入力します。
このアドレスは、サバイバビリティルートグループがサイトに追加されると、モジュールによって使用されます。
注: Zoomでは、ファイアウォール経由のルーティングや完全なルート反映ルールの追加が必要になるのを避けるために、プライベートアドレスを使用することを推奨しています。
SBCをルートグループに割り当てる
サバイバビリティソリューションでPSTN接続が機能するためには、アカウントまたは電話サイトレベルで、次の2つのルートグループを作成する必要があります。
- サバイバビリティが有効になっている特定の電話システムサイトに割り当てるために、ルートグループが必要です。SBC内で定義されたサバイバビリティのパブリック / プライベートIPアドレスは、ZPLSモジュールにプッシュされます。フェイルオーバーモードに入ると、ZPLSはサバイバビリティルートグループ内に含まれるSBCのIPアドレスに外線通話を送信します。このルートグループにはリージョンは含まれていません。これは、このルートグループの目的がZPLSモジュールへの接続の確立であるためです。
- 通常の状態でBYOC番号への着信をルーティングするには、少なくとも1つの追加ルートグループが必要です。この場合、リージョン内に含まれるZoom Phone SIPゾーンとSBCのパブリックIPアドレスの間にSIPトランクが作成されます。このBYOCルートグループにはバックアップルートグループを設定できますが、サバイバビリティルートグループには設定できません。
ルートグループを追加する手順は、次のとおりです。
- アカウント設定を編集する特権を持つ管理者として、Zoomウェブポータルにサインインします。
- ナビゲーションメニューで、[電話システム管理]、[会社情報] の順にクリックします。
- [アカウント設定]、[ルートグループ] の順にクリックします。
- [追加] をクリックします。
- 前のステップで追加した [セッションボーダーコントローラ] を選択します。
- [保存] をクリックします。
ルートグループをローカルサバイバビリティサービスモジュールに割り当てる
- ナビゲーションメニューで、[電話システム管理]、[会社情報] の順にクリックします。
- [アカウント設定] をクリックします。
- [Zoom Node] で、[ローカルサバイバビリティ] を見つけます。
- [管理] をクリックします。
- [割り当て先] をクリックします。
注意: 選択したサーバーは特定のサイトに割り当てる必要があり、PSTN接続が必要な場合は、サバイバビリティルートグループも割り当てる必要があります。 - 前のステップで作成した [ルートグループ] を選択します。
- [OK] をクリックします。
通話自動転送とBYOC番号の設定方法
障害が発生しているサイト内のユーザーやデバイスに対して、ネイティブZoom Phone番号のサバイバビリティ用に通話自動転送を有効にするには、サバイバビリティSBCに接続されたPSTN接続に関連付けられたBYOC番号を取得する必要があります。必要なBYOC内線番号の数は、フェイルオーバー時に必要となる一意の内線番号の数によって決まります。たとえば、障害発生時に100人のユーザーが直接社内電話サービスを必要とする場合、BYOCプロバイダーから100個の内線番号を取得し、その後、100個のZoomネイティブ番号を100個のBYOC番号に転送できます。
注: Zoomネイティブ番号は、ローカルサバイバビリティの通話自動転送を設定しているサイト内のユーザーに割り当てられたBYOC番号にのみ転送できます。
自動転送に加えて、緊急サービスをサポートするにはBYOC番号が1つ必要です。この一意のBYOC番号は、特定のサイトの緊急時ロケーション識別番号(ELIN)として設定できますが、どのユーザーにもZoom Phoneエンティティにも割り当てることはできません。
サバイバビリティ用にBYOC番号を追加する
BYOC番号を追加する手順は、以下のとおりです。
- ナビゲーションメニューで、[電話システム管理]、[電話番号] の順にクリックします。
- [BYOC] タブをクリックします。
- サバイバビリティのために使用するBYOC番号を追加またはCSV経由でインポートします。
サバイバビリティが有効化されたサイトにBYOC番号を追加した後、それらの番号はサバイバビリティが有効なユーザーに割り当てる必要があります(ただし、サイトのELINとして専用のBYOC番号は除きます)。番号を追加する手順は、以下のとおりです。
- ナビゲーションメニューで、[電話システム管理]、[電話番号] の順にクリックします。
- [割り当て済み] タブをクリックします。
- 以前に追加したBYOC番号を目的のユーザーに割り当てます。
この段階で、ユーザーはZoomが提供するPSTN番号と、BYOCキャリアが提供するPSTN番号で設定されます。フェイルオーバーが発生した場合、BYOCキャリアが提供するPSTN番号のみが機能します。
ELINの設定
各サイトには、1つの緊急時ロケーション識別番号(ELIN)を設定できます。ELINを設定する手順は、以下のとおりです。
- Zoomウェブポータルにサインインします。
- ナビゲーションメニューで、[電話システム管理]、[会社情報] の順にクリックします。
- 目的のサイトの名前をクリックします。
- [設定] タブをクリックします。
- [Zoom Node] 内で、[緊急時ロケーション識別番号(ELIN)] の設定に異動します。
- [番号を追加] をクリックします。
- ドロップダウンメニューから、ELINに使用するBYOC番号を選択します。
注:
- このBYOC番号は未割り当てである必要があります。
- サバイバビリティモードで緊急サービスを呼び出す際に発信者IDとして使用される、複数の番号を割り当てることができます。
- ELIN番号を確認するには、[電話システム管理]、[電話番号] の順にクリックします。
ELINとして割り当てられたBYOC番号は、ローカルサバイバビリティーに割り当て済みとして表示されます。
通話自動転送番号を設定する
障害が発生する前に、管理者は通話自動転送ロジックを設定して、障害発生時にZoomネイティブ番号をどのようにリダイレクトするかを決定しておく必要があります。通話自動転送を設定する手順は、以下のとおりです。
- アカウント設定を編集する特権を持つ管理者として、Zoomウェブポータルにサインインします。
- ナビゲーションメニューで、[電話システム管理]、[会社情報] の順にクリックします。
- 目的のサイトの名前をクリックします。
- [設定] タブをクリックします。
- [Zoom Node] で、[通話自動転送のローカルサバイバビリティ] 設定に移動します。
- [管理] をクリックします。
- [追加] をクリックします。
- 発信元番号には、転送対象となる番号を選択します(ユーザー、共用エリア電話機、共有回線グループ、コールキュー、自動受付に割り当てられた番号または内線番号を指定可能)。
注: 複数の発信元番号を1つの転送先番号に転送することができます。 - 転送先番号には、サイト内のユーザーに割り当てられている、ローカルサバイバビリティ用に有効化されたBYOC番号を選択します。
- [保存] をクリックします。
注: デフォルトでは、各発信元番号の転送ステータスは無効になっています。
通話自動転送を有効にする
障害時、管理者はウェブポータルにアクセスして、選択した番号の通話自動転送を有効にする必要があります([すべて選択] オプションを使用すると、定義されているすべての発信元番号の転送を有効にできます)。[通話自動転送のローカルサバイバビリティ] を有効にするには、次の手順を実行します。
- アカウント設定を編集する特権を持つ管理者として、Zoomウェブポータルにサインインします。
- ナビゲーションメニューで、[電話システム管理]、[会社情報] の順にクリックします。
- 目的のサイトの名前をクリックします。
- [設定] タブをクリックします。
- [Zoom Node] で、[通話自動転送のローカルサバイバビリティ] 設定に移動します。
- [管理] をクリックします。
- [転送を有効にする] をクリックします。
ローカルサバイバビリティ用のルーティングルールを設定する方法
通常の条件下で使用されているルーティングルールは、サバイバビリティがアクティブになっている間も、状態を維持できます。
注: 通常、ルーティングルールは、ユーザーの従来のダイヤル習慣を維持するだけでなく、BYOC-P向けのカスタマイズされたコールルーティングに使用されます。ZPLSによってルーティングルールが使用される場合、ルーティングパス(SIPグループ)は無視されますが、番号変換は保持されます。
- アカウント設定を編集する特権を持つ管理者として、Zoomウェブポータルにサインインします。
- ナビゲーションメニューで、[電話システム管理]、[会社情報] の順にクリックします。
- 目的のサイトの名前をクリックします。
- [Zoom Node] セクションで、[ルーティングルールの有効化] で有効にします。
- [保存] をクリックします。
注: サイトレベルで定義されたルーティングルールは、ZPLSによって保持できます。アカウントレベルのルールは保持されません。
設定後の検証
組織がZoom Phoneのローカルサバイバビリティサービスモジュールを導入し、ローカルサバイバビリティサービスを設定した後、管理者はフェイルオーバーをシミュレートして、サービスが意図したとおりに動作しているかを確認できます。