Exchange 2013 以降で Zoom Rooms を設定する
概要
カレンダー リソースを Zoom Room と連携すると、ルームのテレビ ディスプレイ、コントローラ、スケジュール表示ディスプレイには、そのルームにスケジュールされたミーティングが表示されます。 組織のメンバーは、ルームをミーティングに招待することによって Zoom Room でミーティングをスケジュールすることができます。 カンファレンス ルームは、カレンダー サービスを通してカレンダー リソースとして割り当てられます。 Zoom にカレンダー リソースへのアクセス権限を与えることにより、ユーザーはワンタッチでミーティングを開始し参加することができるようになります。
Zoom Rooms にカレンダー サービスを追加できるようにする前に、Exchange 管理者は次のことを行う必要があります。
- カレンダーを管理できる Exchange の専用ユーザーを作成する
- 各 Zoom Room で使用するカレンダー リソースを作成または検索する
- 専用ユーザーが、各カレンダー リソースへの完全な代理人アクセス権を持つようにする
- 専用ユーザーが、各カレンダー リソースを編集できるようにする
- Windows Powershell を使用して、各カレンダー リソースの設定を更新する
Exchange 管理者がこれらの手順を完了すると、専用ユーザーの認証情報を使用して、カレンダー サービスおよびそのすべてのカレンダー リソースを使用する権限が、お使いのアカウントの Zoom Rooms に付与されます。
この記事の内容:
前提条件
- Exchange 2013、2016、2019
- Exchange の管理者アカウント
-
Exchange 管理センター(EAC)へのアクセス権
- ルームのカレンダーを作成および管理する機能
- 新しい Exchange ユーザーを作成する機能
注: ファイアウォールやプロキシを含むネットワークでは、outlook.office365.com へのトラフィックを許可する必要があります。
サービス アカウントとルームを作成する
Zoom Rooms サービス アカウントを作成する
- 管理者として Exchange 管理センターにサインインします。
- [受信者] の下の [メールボックス] をクリックして、+ をクリックします。
- [ユーザー メールボックス] をクリックします。
- メール アドレスを作成します(例: room@company.com)。
- この同じユーザーメールが、すべての Zoom Rooms で使用されます。
-
ユーザー サインイン名とパスワードをメモします。
- 同じ仕事用メールを作成して、https://zoom.us/account/user にある Zoom のアカウントに追加します。
ルームとルームのメールを作成または取得する
- 管理者として Exchange 管理センターにサインインします。
- [リソース] をクリックしてから、[受信者] をクリックします。
- (オプション)ルームを追加する必要がある場合は 、プラスアイコン + をクリックします。
- ルームの表示名と対応するメールアドレスをメモします。
サービス アカウントとルームリソースをリンクする
サービス アカウントへのアクセス権を委任する
- 管理者として Exchange 管理センターにサインインします。
- [リソース] をクリックしてから、[受信者] をクリックします。
- 最初のルームをダブルクリックします。
- [メールボックスの委任] をクリックします。

- [フルアクセス] まで下にスクロールし、+ をクリックします。
- 専用メールを選択して、[追加 ->] をクリックします。

リソースをサービス アカウントと共有する
- Exchange 管理者アカウントを使用してウェブ版 Outlook にサインインします。
注: ウェブ版 Outlook が Exchange サーバーで有効になっていない場合、カレンダーは Outlook アプリケーションを通じて共有できます。 - [マイアカウント] で [別のメールボックスを開く] をクリックします。
- ルームリソースのメールアドレスを入力し、ルームを選択します。
- [開く] をクリックして、ルームリソースのメールボックスを開きます。
- これにより、Zoom Room リソースのメールボックスが開きます。 ナビゲーションの左下隅にあるカレンダーをクリックします。
- [カレンダー] の下にあるルームのメイン カレンダーを右クリックし、[カレンダーを共有] をクリックします。
- 次のウィンドウで、サービス アカウントの仕事用メールを入力し、[編集者] アクセスを選択します。
-
[送信] をクリックします。
- サービス アカウントのメールボックスにサインインします。
- Zoom Room リソースから招待状をクリックし、[受け取る] をクリックします。
- 招待状を受け取ると、カレンダータブが開きます。 Zoom Room リソース カレンダーがページの左側にある [その他のカレンダー] の下に表示されます。 このカレンダーが表示されていることを確認します。
Basic 認証または NTLM 認証を有効にする
Zoom Rooms は、Exchange サーバーなどのオンプレミス ソリューションに対する Basic 形式および NTLM 形式の認証をサポートしています。 アカウントに適用する、次のいずれかの認証を有効にしてください。
Basic 認証
-
EWC で [認証] をクリックします。
- [Basic 認証] チェック ボックスをオンにし、[保存] をクリックします。
NTLM 認証
- Exchange 2013 サーバーで Exchange 管理シェルを開きます。
- Outlook Anywhere クライアント向けに Kerberos 認証を有効にするには、クライアント アクセス サーバーで次のコマンドを実行します。
Get-OutlookAnywhere -server CAS-1 | Set-OutlookAnywhere -InternalClientAuthenticationMethod Negotiate
- HTTP クライアント経由で MAPI に対して Kerberos 認証を有効にするには、Exchange 2013 クライアント アクセス サーバーで次のコマンドを実行します。
Get-MapiVirtualDirectory -Server CAS-1 | Set-MapiVirtualDirectory -IISAuthenticationMethods Ntlm, Negotiate
リソース属性を設定する
EWS URL を取得する
- Exchange 管理センターで、[サーバー] をクリックします。
- [仮想ディレクトリ] をクリックし、[EWS

] をダブルクリックします。 - [基本設定] をクリックし、EWS URL を探します。

ルームイベントからの件名の削除を無効にする
- [管理者として実行] オプションを使用して Windows PowerShell を起動します。
- 次のコマンドを入力して、Exchange 管理者のユーザー名とパスワードを入力します。
$UserCredential = Get-Credential
- セッションの準備をします(前のセクションからの EWS URL を使用)。
$Session = New-PSSession -ConfigurationName Microsoft.Exchange -ConnectionUri http://server-porter.portertest.com/powershell -Authentication Kerberos -Credential $UserCredential
- PowerShell セッションを接続します。
Import-PSSession $Session
- 次のコマンドを使用して、変更前と変更後のルームの設定を確認できます。
Get-CalendarProcessing -Identity "49ers" | Format-List identity,deletesubject,addorganizertosubject,DeleteComments,RemovePrivateProperty
-
DeleteSubject、AddOrganizerToSubject、DeleteComments、RemovePrivateProperty が「False」に設定されていることを確認します。
Identity : portertest.com/Users/room_name
DeleteSubject : False
AddOrganizerToSubject : False
DeleteComments : False
RemovePrivateProperty : False
注: 「Import-PSSession : Files cannot be loaded because running scripts is disabled on this system. Provide a valid certificate with which to sign the files.(Import-PSSession: このシステムでスクリプトの実行が無効になっているため、ファイルをロードできません。ファイルに署名するための有効な証明書を提供してください)」のようなエラーが表示された場合は、まず次のコマンドを使用してください(このコマンドは、手順 1 で PowerShell を管理者として実行しなかった場合は失敗します)。Set-ExecutionPolicy Unrestricted
- ルームのカレンダーの属性を変更します。
Set-CalendarProcessing "room_name" -AddOrganizerToSubject $false -OrganizerInfo $true -DeleteAttachments $true -DeleteComments $false -DeleteSubject $false -RemovePrivateProperty $false
注: 次のようなエラーが見られた場合:- 「The operation couldn't be performed because object [room name] couldn't be found on [exchange server]([exchange server] でオブジェクト [room name] が見つからなかったため、操作を実行できませんでした)。このメッセージは、cmdlet のスコープにユーザー / ルームが含まれていないことを示します。
- 「Set-CalendarProcessing command not found(Set-CalendarProcessing コマンドが見つかりませんでした)」のようなエラーが表示された場合は、PowerShell を使用してサインインしたユーザーに、組織管理と受信者管理の権限があることを確認してください。
- セッションを切断し、PowerShell を閉じます。
Remove-PSSession $Session
カレンダー サービスを Zoom に追加する
Zoom アカウントに Exchange カレンダー サービスを追加するには:
- Zoom Rooms 管理者として Zoom ウェブポータルにサインインします。
- [カレンダー連携] を選択し、[カレンダー サービスを追加] をクリックします。
[カレンダー サービスを追加] ダイアログが表示されます。 - [Exchange] をクリックします。
- Exchange の詳細を入力します。
-
Exchange ログオン ユーザー名または UPN: Active Directory で設定されているとおり、ユーザー ログオン名をドメイン\ユーザーとして、Exchange 認証情報を入力します。 Exchange では、メールアドレスが johnsmith@mycompany.com の場合、mycompany\johnsmith として入力できます。
-
Exchange サインイン パスワード: Exchange パスワードを入力します。
-
Exchange バージョン: ドロップダウンから Exchange のバージョンを選択します。
-
EWS URL: EWS サーバーの URL を入力します。 https:// 部分を含め、URL 全体を指定するようにします。
-
アカウント権限の種類: 上記の設定を適用している場合は、[フルアクセスの委任] を選択します。
- [許可] をクリックします。
[カレンダー連携] ページには、追加したカレンダー サービスが表示されます。

Zoom Room を使用してカレンダー リソースを設定する方法については、Zoom Room を追加するをご覧ください。